はじまりはリカンベントから。

　万年美術部の僕にとって，スポーツなんて無縁だと
思ってました。

　そんな時現れたのがリカンベント。
その独特な形状に魅了され，毒された頃には，

変なフレーム形状のミニベロと，

変な形状のロードバイクが，

いつのまにか部屋の一角を占領していました。

自分の力で。

　自転車ってペダルを漕げば進むんです。
あたりまえです。自転車なんだから。

　でもそこが，自転車の魅力なんです。
踏めば踏むだけ進んでいくんです。
人間の僅かな，脚力で。

それは時に，100kmを超え，200kmを超え，
それは時に，20km/hを超え，30km/hを超え…。

遠くへ，遠くへ，自分の持つ力で。
速く，速く，自分の絞り出せる力で。

　1馬力に到底満たない力で，野を越え，山を越え，
時には，一瞬だけ，内燃機関に近づく。

　それはほんの一瞬の出来事かもしれないけれど，
他の人から見ればバカみたいだけど，

自分にとっては，それは新しい世界の始まりでした。

皆さんもどうですか，自転車。

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